
年齢を超えたチームワークで
年齢を超えたチームワークで
M.Nさん 職業指導員
●64歳で福祉の現場へ
Mさんは現在65歳。職員の中では最年長です。リアンに入ったのは2年前の7月。
福祉の仕事は全く初めてで、それまでは長年経理事務の仕事を中心に働いて来ました。
その後離婚をきっかけに生活が一変。金銭面で苦しみ、借金返済の為10年近く二つ以上の仕事を掛け持ちしてようやく完済したそうです
すでに還暦を過ぎていたMさんは老後の事も考え、生活拠点を移す一大決心。
ところが新たに勤めた会社では社長のパワハラが元で社員全員が辞職する事に。
次に入った派遣会社でもコロナの影響で契約を打ち切られる羽目に。
本当にどうしようも無くなった時、知人の紹介で出会ったのがリアンだったと言います。
●福祉の現場に接して
リアンに入った当初、Mさんは利用者さんの数の多さに驚きを隠せなかったそうで、
精神の障がいで苦しんでいる人の実情を知ったと言います。
また電話支援が始まったばかりで、担当する利用者さんの数も多く、顔が見えない利用者さんを覚えるのに一苦労したそうです。
●チームの同僚に支えられ
Mさんは今同僚の職員4人でチームを組み仕事をしています。
声も若々しく元気なMさんですが
「今住んでいる集合住宅では周りに70代以上の人が多く、その方たちをお世話していますが、職場では逆にサポートしてもらう事が多いです(笑)」と屈託なく話すMさん。
「職員さんが全員年下で抵抗感はありませんか?」と失礼な質問をぶつけた所
「目茶苦茶あります(笑)孫の歳くらいの同僚の職員さんがいますが、人が好きで誰にでも垣根無く話かけています」と。年令もキャリアも違う同僚と共に仕事をする事がいい刺激になっているそうです
今の困り事を尋ねると
「報告書を作る際、文章にするのが苦手で、同じチームの得意な職員さんに助けてもらっています」と仕事をフォローし合うチーム内の明るい雰囲気に満足しているようです。
●ZOOMでコミュニケーション練習
リアンでは、昨年から利用者さんへの支援ツールとして
ZOOMを使った支援プログラムを始めています。
このプログラムは、毎回希望者を募り、
コミュニケーションを取るのが苦手な利用者さんの能力向上と、
休業で在宅での訓練が長引く中、利用者さんのお顔を拝見し、健康状態を確認する事を目的に始まりました。
運営は各チームに分かれて行われ、それぞれのやり方で進められています。
Mさんのチームでは、毎回利用者さんが自分たちでテーマを決めて、自由にトークしているそうです。
●気になる利用者さん
昨年12月梅田の心療内科で起きた殺傷事件。
事件で亡くなった先生に診察を受けていた20代の女性がリアンに在籍していて、特に気になっていると明かしてくれました。
事件後その利用者さんはすごく落ち込み、精神的なストレスで毎日眠れない日が続いたそうで、
そのかたに対し
「あなたが元気に明るく生活していく事を先生は喜んでいる」とチーム全員で励まし続けて来たそうです。
その甲斐もあってか、その利用者さんは少しずつ心も安定して来ているそうですが、
まだしばらくは気の抜けない日々が続くようです。
●明るい笑顔で
Mさんには大切にしている事があります。
それは明るい笑顔。
絶えず笑顔を作る事を心がけているそうで、
前職で介護施設にいた職員さんには「介護で世話をかけてゴメンね」と冗談まで飛ばすMさん。
その明るい人柄で、助けられる利用者さんは多いと確信しました。
文責 北村誠一(広報担当)